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タイで輸入会社を設立するなら「登記できる住所」だけで決めない|FDA・倉庫・許認可まで考えるべき理由

最近、WITHTHAIへのお問い合わせで増えているのが、これです。

「タイで食品を輸入したいんですが」
「化粧品のFDAを取りたくて」
「日本酒をタイに輸出したいんですが、何から始めればいいですか」
「会社はもうあるんですが、うちの会社って何のライセンスが必要なんでしょうか」

これまでWITHTHAIでは、会社設立とFDA・各種許認可の取得を、それぞれ個別にご相談いただくことが多かったんです。でも最近は、この2つを最初から切り離せない状態でご相談いただくケースが増えてきました。

それもそのはずで、実際にタイで輸入販売を始めようとすると、「会社を作る」と「その商品を輸入できる」は、まったく別の話だからです。

そこでWITHTHAIでは、これまで個別対応していた内容を、会社設立→登記場所の選定→FDA・各種許認可の取得→輸入開始まで一貫してサポートする形に整理しました。今日はその中でも、特に多くの企業様が見落としている「会社設立の順番」についてお話しします。

目次

タイでは会社を作っただけでは輸入販売を始められません

会社登記と輸入許認可は、まったく別の手続きです

まず大前提として、タイに会社が存在することと、その会社が特定の商品を輸入・販売できることは別物です。

日本の感覚だと「会社を作れば商売はできる」と思いがちなんですが、食品・化粧品・酒類など、許認可が必要な商品については、会社登記だけでは輸入販売を開始できません。商品を輸入するための許可を、別途、輸入者側が取得する必要があります。

扱う商品によって、必要な許認可がまったく変わります

食品なのか、化粧品なのか、酒類なのか。同じ「輸入」でも、必要な手続きはまるで違います。管轄する部署も、申請の流れも、条件も別々です。「輸入業の許可を取れば何でも輸入できる」という単純な話ではないんですね。

FDAを取れば、それですべて終わり――でもありません

商品登録だけに目が行きがちですが、食品の場合は輸入者側の食品輸入許可(Orr.7/อ.7)や、輸入場所・保管場所の要件も確認する必要があります。ここを飛ばして「FDAさえ取れば大丈夫」だと思っていると、後から想定外の手戻りが発生します。

「何をする会社なのか」を決めてから、会社を作る

ここが今回、いちばんお伝えしたい部分です。

まず、商品とビジネスモデルを確認する

何を輸入するのか。誰から仕入れるのか。タイ国内では卸売なのか、小売なのか。自社で在庫を持つのか、それとも顧客への直送なのか。ここを最初に固めます。

その事業に必要な許認可を洗い出す

商品とビジネスモデルが決まったら、FDA、酒類関連のライセンスなど、必要になる許認可をこの時点で洗い出します。会社を作ってから調べるのではなく、作る前に調べる。順番が逆になっている企業様、実はかなり多いです。

必要な事務所・倉庫の条件から、登記場所を決める

ここがWITHTHAIらしいところだと思っているんですが、私たちは「登記できる物件」を探すのではなく、「その事業が実際にできる物件」を探すようにしています。先に会社の住所を決めてしまってから許認可要件に合わないと気づくケースを、これまで何度も見てきたからです。

「直送するから倉庫はいらない」は、食品輸入では通用しません

在庫を持つかどうかと、FDAの要件はまったく別の話です

お客様からよくこう言われます。

「輸入した商品は港からそのまま販売先に送るので、うちでは保管しません。だから倉庫はいらないですよね?」

気持ちはすごくよくわかります。物流の実態としては、確かに在庫を持たないケースもあります。でもタイFDAは、食品の輸入許可を申請する事業者に対して、輸入場所と輸入食品の保管場所を、定められた基準に沿って準備することを求めています。タイFDA公式のガイドラインにも、輸入者は商業登記証を保有したうえで、規定に沿った輸入場所・保管場所を用意しなければならないと明記されています[1]。しかもこれは、許可を取得する瞬間だけの話ではありません。輸入場所については、営業期間中に継続して検査できる場所であることもFDAの基準に含まれています[1]

つまり、物流上「在庫を持つかどうか」と、FDA上「保管場所が必要かどうか」は、まったく別の基準で判断されるということなんです。「うちは直送だから保管場所は不要」とは判断できません。

だから、食品輸入の会社には倉庫付き事務所をご提案することがあります

会社設立前の段階でこれがわかっていれば、「どうせ食品FDAで保管場所が必要になるなら、最初から条件を満たせる倉庫付き事務所を探しましょう」というご提案ができます。

これをやらずに、事務所契約→会社登記→FDA申請→「この物件では条件を満たせません」→また物件探し、という順番で進めてしまうと、余計な時間とコストがかかります。実際に、こうした相談をいただくことがあります。

安い倉庫・登記住所だけで決めるのは、おすすめしません

タイには、たしかに「安く済ませる方法」がいろいろあります

タイの実務の現場では、複数の事業者が同じ倉庫スペースを共有するなど、区画や利用実態がはっきりしない形で提供されている安価な倉庫サービスも存在します。ただ、これを「共有倉庫だから一律に違法」と決めつけるつもりはありません。

大事なのは、タイFDAが食品の保管場所について、食品専用の区域を設けることや、居住スペースなど他の用途と明確に区分することを求めているという点です。実際、FDA公式のガイドラインでも、建物内に居住スペースが含まれる場合は、食品の保管場所を居住スペースから明確に分離しなければならないと定められています[1]

ですから記事としてお伝えしたいのは、「安いか高いか」ではなく、その物件・倉庫が実際に許認可の要件を満たしているかどうかを、契約前に確認する必要があるということです。

WITHTHAIでは、グレーな方法はご提案しません

「タイではよくあることなので」「みんなやっているので」「今まで検査で問題になったことがないので」――こうした理由だけで要件充足が確認できない方法は、WITHTHAIではご提案しません。

私たちが前提にしているのは、実際に許認可を取得して、その後も事業を継続できる状態を作ることです。目先の初期費用を抑えられても、後から許認可が取れなかったり、更新のタイミングで指摘を受けたりすれば、結局そのほうがコストがかかります。

「会社はもう作りました」というご相談も、実は少なくありません

安く会社を設立したものの、その後のことまでは考えられていなかった

最近よくいただくのが、こういうご相談です。会計事務所などで会社設立自体は安く済ませた。ところが、実際に食品や酒類を輸入しようとした段階で、

  • どのライセンスが必要かわからない
  • 倉庫がない
  • 今の登記事務所では要件を満たせない
  • FDAを誰に依頼すればいいのかわからない

という状態になってしまう。ここで大事なのは、会社設立を代行してくれた業者が悪いという話ではないということです。会社登記を主業務とする事業者の場合、FDAや輸入許認可、物流実務までは支援範囲に含まれていないこともあります。そのため、会社設立を依頼する前に「この会社で何を輸入するのか」まで共有し、必要な許認可を確認しておくことが重要です。

すでに会社をお持ちの場合ももちろんご相談いただけます。今の登記内容と事業内容を確認したうえで、必要な手続きを整理するところから始められます。

食品・化粧品・酒類では、必要な準備がそれぞれ異なります

食品の場合

食品をタイへ輸入販売する場合、まず輸入者である会社側で食品輸入許可(Orr.7/อ.7)を取得します。さらに、食品のカテゴリーによっては、商品ごとにFDAへの登録・申請を行い、食品シリアル番号を取得する必要があります[1]。ざっくり言えば、「会社側の許可」と「商品側の登録」の2段階だとイメージしていただくとわかりやすいと思います。ただし、食品カテゴリーによっては食品シリアル番号の取得が必須ではない場合もあるため、商品ごとの確認が必要です。FDAの詳しい仕組みについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

化粧品の場合

化粧品はFDAへの手続きや輸入主体の確認が必要になります。こちらは以前、詳しく解説した記事がありますので、あわせてご覧ください。

酒類の場合

酒類の場合、話はFDAだけにとどまりません。酒類関連のライセンス、物件条件、ラベル表示、物品税など、確認すべき項目がさらに増えます。酒類輸入については専用のサポートページをご用意していますので、そちらをご覧ください。

タイ酒類輸入・販売許認可取得支援

WITHTHAIでは、会社設立から許認可取得まで一貫して支援します

タイ人専門家と連携

会社登記や法律関係の手続きは、タイ側の専門家と連携して進めます。

事業内容に合った会社設立

ただ会社を登記するのではなく、「その会社が実際に何をするのか」を最初に確認したうえで設計します。

事業内容に合った登記場所・倉庫のご提案

食品を扱うならFDAの要件を踏まえて倉庫付き事務所を検討する、というように、必要であれば物件の段階からご提案します。

FDA・各種ライセンスの取得

食品・化粧品・酒類など、それぞれに必要な手続きを、タイ側の専門家と一緒に進めます。

輸入開始後の実務もご相談いただけます

許認可を取って終わりではありません。物流、通関、輸入実務、現地での販売開始まで、その後も引き続きご相談いただけます。この「取った後」まで並走できるのは、私自身が18年間タイの現地実務――大手商社タイ支店での輸出入・営業実務も含めて――に携わってきたからこそだと思っています。

詳しいサポート内容は、こちらのサービスページにまとめています。

WITHTHAIが輸入者になるサービスではありません

念のためお伝えしておくと、これはWITHTHAI名義で商品を輸入するサービスではありません。お客様自身のタイ法人が、適切な許認可を取得したうえで、自社で継続的に事業を行える体制を作るための支援です。あくまで主体はお客様の会社であり、私たちはその体制づくりを伴走する立場です。

タイで輸入会社を作るなら、会社設立前にご相談ください

すでに会社をお持ちの企業様も、もちろんご相談いただけます。ただ、これから設立される場合は、

会社を作る→FDAを調べる、ではなく、

何を輸入するか→必要な許認可を確認する→必要な事務所・倉庫の条件を確認する→会社を設立する

この順番をおすすめします。この順番を変えるだけで、後から発生する手戻りのかなりの部分は防げます。

「タイで輸入会社を設立したいけれど、何から始めればいいかわからない」
「食品のFDAを取りたいけれど、事務所や倉庫をどうすればいいかわからない」
「タイ法人はもうあるけれど、この会社で輸入できるのか確認したい」

こうした段階からで大丈夫です。「これ、うちの会社だけで進められるかな」と少しでも引っかかった方は、会社を作ってしまう前に、一度ご相談ください。

長谷川舞美|タイ貿易×海外販路×インバウンド戦略支援

タイ在住18年・大手総合商社出身。中小企業のタイ進出と訪日インバウンド支援を行うマーケター。

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