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【海外販路】タイ人に“本物志向”が響かない理由とは?日本企業がやりがちな失敗と対策を解説

タイ人向けに“本物志向”や“逆輸入”といった言葉を使っても、思ったように響かない――そんな違和感を抱いたことはありませんか?
日本で効果的なキャッチコピーやPR手法が、タイ市場ではまったく逆の結果を生むことが少なくありません。
文化的価値観やSNSを通じた共感消費といった、タイ独自のマーケティングトレンドがあります。
本記事では、タイ在住18年・現地企業との取引経験をもつ筆者が「タイ人 マーケティング*の観点から日本企業がやりがちな失敗とその対策を徹底解説。
“伝わる伝え方”を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ日本企業の“伝え方”はタイ市場で伝わらないのか?

「逆輸入」や「こだわり」は誰に向けた言葉?

日本企業がよく使う「逆輸入」「職人のこだわり」といった表現は、タイ市場では思ったほど響きません。その理由は明確で、こうした言葉は“日本の消費者”を前提にした価値観だからです。
さらに“こだわり”や“伝統”といった言葉も背景の文脈が共有されていない場合、ただの自己満足に見えてしまうこともあります。伝え方において誰に向けたメッセージなのかを明確にすることが、第一歩です。

タイ人の購買行動は「SNSと共感」が主軸

タイではSNSの利用率が非常に高く、Facebook、Instagram、TikTokが購買行動に大きく影響しています。消費者は「誰が使っているか」「どう感じているか」に敏感で企業が一方的に伝えるブランドストーリーよりも、実際の使用者の声やKOL(インフルエンサー)の投稿に信頼を寄せる傾向があります。
商品ページにいくら詳細なスペックが書かれていても、SNSでのリアルな投稿や体験談がなければ“選ばれる理由”になりません。共感・シェア・話題性が購買の原動力になっている点を意識する必要があります。

マーケティングトレンド:タイは“共感消費”の国

タイ人マーケティングで押さえるべきキーワードのひとつが「共感消費」です。Z世代を中心に「その商品を使う自分が好き」「その世界観に共感するから買う」といった、感情ベースの意思決定が主流です。
日本のように「品質が良いから」「伝統があるから」といった合理的アピールだけでは不十分で、むしろ“自分ごと化”できるかどうかが購入の分かれ道になります。
そのため、SNS上での共感ストーリーやタイ語ネイティブによる感情を動かす表現が重要となります。商品そのものではなく「使う自分」「使っているあの人」に焦点を当てた訴求が必要です。

タイ人に響きにくい販促ワード一覧【実例付き】

ここではタイ人に響きにくいワードをまとめました。ここまで書いてるのはおそらく私の記事だけですよ笑

逆輸入

「逆輸入」という表現は、日本で売れた商品が海外でも通用するというニュアンスを含みますが、タイではその“日本での実績”に価値を感じにくい傾向があります。タイ人消費者にとって重要なのは「自分に合うかどうか」「SNSで話題になっているか」であり、海外で評価されたというストーリー自体に魅力を感じるとは限りません。Z世代にとっては「自分がどう感じるか」が第一優先であるため「逆輸入=良いもの」というロジックは通用しない場面が多いのです。

本物志向

「本物」「本格」といったワードは、日本では高品質や職人技を連想させる強力なキーワードですが、タイでは抽象的すぎて伝わりにくいのが現実です。「何が“本物”なのか」が明確でなければ、ただの曖昧な表現としてスルーされることもあります。また、タイ市場では“本物”というより「楽しそう」「おしゃれ」「かわいい」といった感性寄りの表現のほうが共感を集めやすい傾向にあります。

職人のこだわり

日本の販促では定番の「職人のこだわり」も、タイ人にとってはイメージが湧きにくい言葉の一つです。背景となる文化や歴史に接点がない場合、その価値が理解されず「単に高いだけの製品」と認識されてしまうリスクもあります。こだわりの内容を丁寧に説明するか、動画やSNSで「実際にどうすごいのか」を視覚的に伝えることが大切です。

伝統の味

「伝統の味」という表現も、日本人にとっては懐かしさや信頼感につながるキーワードですが、タイ人にとっては文化的背景が共有されていないためピンとこないケースが多いです。「○年継承してきた」といった歴史よりも、「どんな味かがすぐ分かる」「友達が美味しいと言っていた」などの体験ベースの発信が効果的です。

メイド・イン・ジャパン推し

「日本製=高品質」というイメージは今も一定の信頼を集めていますが、それだけで“選ばれる理由”にはなりにくくなっています。タイの若年層を中心に、韓国や欧米のトレンドにも敏感で「日本製」というブランド力が以前ほど響かないのが現状です。それよりも「どんな生活が手に入るのか」「どんな人が使っているのか」を訴求するほうが、購買意欲を刺激できます。中国製と比較したら、日本製がいいよねぐらいのレベルでいた方がいいです。今の時代は日本製だけでは売れません。

じゃあ、タイ市場で“伝わる言葉”とは?

SNSで使われている表現とは?

タイ人マーケティングにおいて重要なのは、実際にSNS上で使われている“日常の言葉”を活用することです。タイではInstagramやTikTokが生活に深く根付いており「かわいい」「おすすめ」「バズった」など感情や体験を軸にした言葉が多く使われています。
「このリップ、恋愛運が上がるらしい」「友達みんなが使ってる」といった言葉には、数字やスペック以上の影響力があります。こうした表現は広告臭がなく、自然な口コミとして広まりやすいため、販促コピーも“会話の延長”を意識することがポイントです。

Z世代が反応するコピーの共通点

Z世代のタイ人は自分らしさや世界観への共感を重視します。彼らに刺さる言葉には、以下のような特徴があります。

  • 主語が“あなた”ではなく“わたし”
  • 「かわいくなれた気がする」「気分が上がる」といった感情主導型
  • 「#使ってみた」「#今日のコーデ」などハッシュタグで共感を誘導

商品の優位性を語るのではなく、その商品を使った自分がどうなるかを想像させる表現が鍵になります。
実際、現地Z世代KOLの投稿を分析すると「自分に自信が持てるようになった」「これを選んだ自分が好き」など、感覚と言葉の一体感が見られます。

KOLが実際に紹介した商品の「言葉」

タイのKOL(Key Opinion Leader)が商品紹介に使っている言葉は企業のコピーライティングとはまったく異なります。日本の食品を紹介する場合でも、「日本からのお土産で一番うれしかった」「冷やして食べたら最高!」といった“感情ベースのつぶやき”のほうが拡散されやすい傾向にあります。

ここで重要なのはKOLが投稿を“広告として書いていない”ように見せる工夫です。写真の撮り方、ストーリーでの日常的な導入、キャプションの言い回しなど、どれも「生活の中に自然に溶け込んだ語り口」になっています。
そのため、企業がKOLとタイアップする際も投稿の原稿を細かく管理するのではなく、トンマナだけを共有し、KOLの言葉に任せる柔軟さが成果を左右します。

実際に日本企業がやりがちな3つの販促ミス

① タイ語に翻訳しただけで終わる

日本語の販促資料をタイ語に訳しただけでは、現地の消費者の心には届きません。これは“翻訳”と“ローカライズ”の違いでもあります。直訳された文章は、文法的に正しくても不自然に見えたり、意味がぼやけたりしてしまいます。「心を込めて作りました」と訳しても、タイの若年層には抽象的すぎて共感を得にくいのです。
現地の言葉選びには「どう感じるか」「どう使うか」を起点とした表現が求められます。タイ語ネイティブのコピーライターやKOLと連携し、意味だけでなく“空気感”まで伝える表現が大切です。

② “日本っぽさ”を伝えようとして逆に伝わらない

日本の企業がやりがちなのが、「日本の伝統」「和の精神」「丁寧な仕事」など“日本らしさ”を前面に押し出すことです。しかし、これはターゲットによっては逆効果になることもあります。
タイの若者層は「おしゃれ」「可愛い」「自分らしい」といった感性ベースで選ぶ傾向が強いため「伝統的で格式高い」といった文脈が響きにくい場合があります。伝統=古臭いと感じられてしまうことも。日本らしさを活かすなら、現代的なデザインやSNS映えする見せ方と組み合わせることで、より効果的に伝わります。はっきり言いますが、和はそこまでうけません。

③ 商品スペックばかり押し出す

スペック重視のプレゼンもタイ人マーケティングでは注意が必要です。「高性能」「耐久性」「原材料の違い」などを細かく訴求しても、ターゲットによっては「難しすぎる」「よくわからない」と受け止められることがあります。そんなことよりもばえるかどうかです。
タイ市場では使っている姿が想像できるかどうかが購入の判断材料になります。「この商品があると生活がどう変わるか」「誰がどんなふうに使っているのか」を伝えるほうが共感を得やすくなります。機能の説明は重要ですが、それを日常の中でどう役立つかに置き換えて伝える視点が欠かせません。

実際、私は日本製の機械を営業したことがあります。競合はヨーロッパメーカーでした。日本製の方がスペックは良かったですが、最終的にはヨーロッパのメーカーに負けました。理由はヨーロッパの方がアジアよりかっこいいから。機械営業でもばえるのかが大事です。

タイ人に選ばれるための“伝え方設計”のコツ

KOLと「投稿される前提」で企画を組む

タイ市場でのKOL施策は「発信者としての信頼感」が購買行動に直結します。そのため、単に商品を送って紹介してもらうのではなく、最初から「どのように投稿されるか」を見越して企画を組むことが重要です。
KOLの生活スタイルやフォロワー層を事前に把握し「どのシーンで、どう使ってもらうか」を想定したコンテンツ設計を行います。キャプションの言葉選びやハッシュタグ戦略もKOL本人に任せるのではなく、ガイドラインを共有することでブランドの一貫性を保ちつつ、自然な投稿を促せます。現地のSNS文化に詳しいパートナーと連携することで企画段階から「伝わる前提」が整います。

SNS映えする構図・商品設計

タイでは「写真映えするかどうか」が購買判断の大きな要素となります。女性ユーザーをターゲットにする場合、パッケージの色味やサイズ感、撮影時の映える背景などまで意識した設計が求められます。
商品の性能が優れていても、SNS上でシェアされなければ話題になりません。スキンケア商品ならボトルに光が当たると透明感が出るようにする、食品なら開封後に並べるとカラフルで可愛い、といった「撮りたくなる工夫」を施すことが効果的です。

説明文より「見てわかる・使ってわかる」が優先

タイ市場では長い説明文や理屈で商品の良さを伝えるよりも「実際に使っている様子」や「短い動画」での体験共有が好まれます。TikTokやInstagramリールのような短尺動画が浸透している今「15秒で伝わる魅力」を意識することが大事です。
ビフォーアフターの使用動画や日常生活に自然に溶け込む使い方を見せるなど「見れば伝わる」構成が効果を発揮します。写真や動画での第一印象を重視しつつ、補足的にタイ語の説明文を添えるのが理想的です。商品やサービスを“読んで理解させる”のではなく、“見て共感させる”ことを基本設計にしましょう。

まとめ

タイ市場では「良いものだから売れる」とは限りません。なぜならタイ人の購買行動は“感覚”や“共感”に大きく左右されるからです。
商品の価値を正しく理解してもらうためには単に良さを説明するのではなく「誰がどう使っているか」「どんな気分になれるか」を伝えることが大切です。タイ人の文化や価値観に合わせて「どう伝えるか」「どんな表現が刺さるか」を再設計する必要があります。“翻訳”ではなく“価値の通訳”です。
「何を、どう伝えればタイ人に届くのか?」に悩んでいる企業様へ、戦略設計からKOL選定・交渉・投稿企画まで一貫してご提案いたします。
ご興味のある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。“タイ人に伝わる言葉”で形にします。

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長谷川舞美|タイ貿易×海外販路×インバウンド戦略支援

タイ在住18年・大手総合商社出身。中小企業のタイ進出と訪日インバウンド支援を行うマーケター。

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