タイでEC販売を始めるなら、ShopeeとLazadaのどちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。両プラットフォームはタイのオンライン市場を牽引する存在ですが、手数料やユーザー層、売れ筋カテゴリーには大きな違いがあります。本記事では、タイ市場でのShopeeとLazadaの特徴を徹底比較し、日本企業がどちらに出店すべきか判断するための情報をまとめました。現地で18年暮らし、輸出入実務に携わってきた経験をもとに、越境EC戦略のポイントも解説します。
ShopeeとLazadaとは?タイ市場での位置付け
ShopeeとLazadaは、タイのEC市場で圧倒的なシェアを持つ2大プラットフォームです。どちらもスマートフォンアプリを中心に成長しており、タイ国内のオンラインショッピング利用者にとって欠かせない存在となっています。近年はコロナ禍を経てオンライン購入の習慣が定着し、EC市場は年々拡大しています。その中でShopeeとLazadaは価格競争力やプロモーション施策、配送ネットワークの充実度などで差別化を図っています。
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Shopeeの特徴と市場シェア
Shopeeはシンガポール発のプラットフォームで、タイでは特に若年層のユーザーに人気があります。アプリの使いやすさやゲーム感覚のキャンペーン、送料無料クーポンなどが強みです。2024年時点ではタイのEC市場でトップシェアを占め、低価格帯の日用品やファッション、ガジェット系の商品がよく売れています。「9.9」や「11.11」などの大規模セールイベントでは、購入意欲を高める仕組みが整っています。
Lazadaの特徴と市場シェア
Lazadaは中国のアリババグループ傘下でShopeeに次ぐ規模を誇ります。信頼性や品質重視のユーザーから支持され、家電や高単価商品の取り扱いが多い点が特徴です。プラットフォーム全体でブランド公式ショップを強化しており、日本製品を含む海外ブランドの進出にも適しています。アリババの物流網を活かし、配送の安定性やサポート体制にも定評があります。
タイでのEC市場の現状と成長性
タイのEC市場は2023年時点で約4兆円規模に達し、今後も年率10%前後の成長が見込まれています。インターネット普及率の高さやモバイル決済の浸透が背景にあり、地方都市への配送網も整備が進んでいます。Z世代やミレニアル世代を中心にオンライン購入が日常化しており、ShopeeとLazadaはそれぞれの強みを活かして市場を拡大しています。日本企業にとっても、現地ニーズに合わせた商品展開を行えば販路拡大のチャンスが大きい市場です。
ShopeeとLazadaを徹底比較|手数料・ユーザー層・売れ筋商品の違い
ShopeeとLazadaは、どちらもタイのEC市場で高いシェアを持つプラットフォームですが、ユーザー層や取扱商品の特徴、販売手数料、広告機能などに違いがあります。自社の商品やブランドに合ったプラットフォームを選ぶために、以下の表で特徴を比較します。
項目 | Shopee | Lazada |
---|---|---|
主なユーザー層 | 18〜34歳が中心、価格重視の若年層、地方ユーザーも多い | 30代以上が中心、品質重視、都市部ユーザーが多い |
人気カテゴリー | 日用品、低価格ファッション、スマホアクセサリー、コスメ | 家電、高品質コスメ、ブランドファッション |
販売手数料 | 約5〜8% | 約5〜10% |
出店料 | 無料 | 無料(ブランド公式ショップ登録で優遇あり) |
広告・プロモーション機能 | アプリ内ゲーム、ポイント付与、安価な広告メニュー | ブランド向け広告、ライブコマース、ターゲティング広告 |
ユーザー層(年齢・購買力・地域)
Shopeeは若年層や価格重視のユーザーに支持されており18〜34歳の利用者が中心です。都市部だけでなく地方にもユーザーが広がっており、スマートフォンを通じた手軽な買い物スタイルが浸透しています。対してLazadaは30代以上の層や品質重視のユーザーに人気があり、ブランド品や家電など高価格帯の商品を購入する顧客が多い傾向があります。都市部の利用者比率が高く、決済手段もクレジットカードや分割払いなどを活用するケースが目立ちます。
人気カテゴリーと売れ筋商品
Shopeeでは日用品、低価格のファッションアイテム、スマホアクセサリー、コスメなどがよく売れています。セールイベントや送料無料キャンペーンとの相性が良く、衝動買いが起きやすい商品が伸びやすい傾向です。一方、Lazadaは家電製品、ガジェット、高品質の化粧品、ブランドファッションなど単価の高い商品が好まれます。公式ショップやブランド認証マーク付きの商品が信頼され、購入に繋がりやすいのが特徴です。
販売手数料や出店コストの比較
Shopeeは出店料が無料で、販売手数料はカテゴリーによって異なりますが概ね5〜8%前後です。初期費用を抑えて出店できるため、まず試験的に販売を始めたい中小企業にも適しています。Lazadaは販売手数料が平均5〜10%程度とやや高めですが、ブランド公式ショップとして登録するとプロモーションや広告枠で優遇される場合があります。信頼性やブランド価値を重視する企業にはLazadaが向いています。
日本企業がタイ市場に参入する際のポイント
タイ市場でShopeeやLazadaを活用して販売を始める場合、自社の商品特性やターゲット顧客層に合わせて戦略を立てることが重要です。両プラットフォームにはそれぞれ強みと特徴があり、選び方によって販売結果が大きく変わります。
どちらのプラットフォームを選ぶべきか?
自社の商品が低価格帯で若年層向けの場合はShopeeが向いています。Shopeeはアプリ中心で価格競争力のある商品が売れやすく、手数料も比較的低いため、小規模事業者や初めての越境ECにおすすめです。 一方、家電やブランド品、品質を重視する商品を扱う場合はLazadaが適しています。Lazadaはブランド公式ショップ向けの機能が充実しており、信頼性やブランド価値を訴求しやすい環境が整っています。
商品特性 | Shopee向きの条件 | Lazada向きの条件 |
---|---|---|
価格帯 | 低価格、日用品、手軽に買える商品 | 中〜高価格、ブランド価値のある商品 |
ターゲット | 若年層、地方ユーザー、価格重視 | 30代以上、都市部ユーザー、品質重視 |
出店目的 | 試験的な販売、初期費用を抑えたい場合 | ブランド構築、信頼性重視、広告活用 |
商品ジャンル別おすすめプラットフォーム
日用品・コスメ・低価格ファッション
→ Shopeeがおすすめ。価格競争力が高く、若年層や地方ユーザーにリーチしやすいです。
家電・ガジェット・高品質コスメ
→ Lazadaがおすすめ。ブランド公式ショップ機能を活用し、信頼性を重視する顧客層にアプローチできます。
食品や雑貨などリピート購入が期待できる商品
→ Shopeeで顧客を獲得し、その後SNSやLINE公式アカウントと連動させてリピーター育成を行うのが効果的です。
日本製ブランド商品や輸入化粧品
→ Lazadaのブランド公式ショップで販売し、品質や正規品であることを訴求することで購買につながります。
商品の価格帯やブランド性によって最適なプラットフォームは異なります。両方に出店するケースもありますが、最初は自社商品との親和性が高い方に集中するのがおすすめです。
日本企業がShopee・Lazadaで成功するためのタイ市場攻略法
タイ市場で成果を出すためには、プラットフォームに登録するだけでは不十分です。成功するためのポイントをまっとめました。
- 現地向けの商品説明や広告文をタイ語で作成する
翻訳ではなく、タイ人目線で伝わる表現を使うことで購入率が上がります。 - セールイベントを活用する
Shopeeの「9.9」「11.11」、Lazadaの「双11セール」など大型イベントに合わせた販促は売上アップに効果的です。 - 広告機能を活用する
Shopeeは低予算でも利用できる広告が多く、Lazadaはブランド向け広告やライブコマースが強力です。 - 現地配送や返品対応の体制を整える
信頼性を高めるため、スムーズな配送と問い合わせ対応は不可欠です。
実務経験を持つ専門家に相談しながら進めることで余計な失敗やコストを減らせます。初めてタイ市場に参入する場合は、現地の商習慣や言語面でのサポートを受けることで、販売開始までのスピードが格段に上がります。
👉成功するマーケティングについて書いてます。
まとめ|タイ市場で成功するために必要なこと
タイ語対応と現地マーケティングの重要性
タイ市場では商品ページや広告文をタイ語で作成することが購入率向上の鍵となります。直訳ではなく現地ユーザーに響く表現を用いることが重要です。現地のSNSやインフルエンサーを活用したプロモーションは、ブランド認知を高める効果があります。ターゲット層に合わせた広告戦略やセールイベントへの参加も、売上拡大には欠かせません。
越境ECのサポートや代行サービスの活用法
初めてのタイ進出では、現地の商習慣や物流、顧客対応に不安を感じる企業も多いです。経験豊富な専門家や代行サービスを活用すれば出店手続きや現地配送、カスタマーサポートまで一括で任せられます。効率的に販路を拡大し、リスクを減らしながら事業を成長させるためには、信頼できるパートナーと連携することが成功への近道です。
現地感覚に基づいた具体的な戦略をご提案します。無料相談はオンラインで承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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